宇土半島が一時のダム水の決壊洪水の跡であるという事は、地球一般の地理現状の一つであって、以下にあげる例を地図で確認するうちに自ずと理解されてくることである。

 極めてよく似た例として、ニューヨークのロングアイランド島。 泥の撥ね方とその時の洪水の流れの激しさが想像される。 岩の岸壁が立ちはだかっていた例である。 
 日本でも挙げきれないほどの地理証拠が見つかるが、今回は岩手県宮城県辺りを見てみると、遠野や沢内が湖であって、一時その湖が破れ激しい洪水が起きたことを見たことのように伝えている伝説がある。 このような伝説は日本国中世界中にある。 我々新人が経験した出来事なのである。
 その時の北上川の水の動きを想像すると、この川一番の堰所平泉で一旦流れの勢いを弱められ、その土砂が大量に一関の高台で下され、川は自らの方角を左に大きく変じたのであろう。
 旧は松島に注いでいたものと考えられる。 島々は洪水の出口共通の地理現象である。 細かく見ると、やはり七里ガ浜で跳ね返り、海の方に泥土が延びているように島が並んでいる。 塩釜並びに仙台市北方の高台も、この時の決壊が運んだ土の盛り上がりと考えるべきであろう。
 日本の石油の産地は日本海の海岸地に限られる。 秋田と新潟の内海的な平らな所でなければ石油は掘り出されない。 ヴェネズエラでもイラク、アラブでも同じことである。 石油は洪水が走った後にしか産出されない。
 宇土半島に走った水は、阿蘇山上の氷が溶けて増しつつあったダム湖の水である。
 日本海を走った水は、サハリンを動かして、サハリン石油を作り、次に裏日本の海岸をきれいに均して、島根では島根半島を成したものと考えられる。 勢いが少し弱まった時点の仕事と思われる。
 五島列島はその最後の泥土の跡と見ることが出来よう。 洪水の流れそのままの島の並び方である。