変な話であるが、その内の沢内村連中の者が、本内本家の家から金をタカリ取る、という詐欺罪

コースの出世道を取ったことがあったということである。 記録にある限りでは、上の家の長男が電力会社に勤めている時代の詐取事件がある。 
 若い者が雄飛するための学費が欲しい、と露骨な借金請求であったらしい。 その金で確かに、東大に入り、後には国会の議長になったりしている者がいるのである。
 大金を奪われ、取り戻すこともかなわず、会社勤めの者がいる家でありながら、上の家は常に金が無い家であった。 
 次の大金詐取事件は、この間の上の家の父親の脳卒中治療費過剰請求であった。 
 労農階級民の、命を救う為の涙の捻出金であった。 搾取者は相手が苦農民で、主が倒れた危機的状況にあることを知っていて、あるいはその困窮を弥が上にも突く為にか、若者の東大進学出世の類の為の必要金としてだましとったのであった。 金持ちは笑う金額かは知れないが、当時困民にとっては 「財産」、半年分の給料額に値する額であったろうか。
 預かり人として偉くならなければならない、という星の下の命題に忠実な姿が明らかである。 誠実さ、という人柄でまとめられる移入人グループ、と感ずることもあり、自ら言う人もある。