「宗一さん」とは、神社祭りの頃の登場者、「和子さん」「清子さん」と親密な関係にある人ではなかったか。

 「和子さん」も何度も登場する女性である。 (西口神社最後の神主に当たる者を、ちょっと振り向いただけの異邦人との遭遇という、見てきたような遭難事件の当事者と簡単に結びつけることはできないことであった。 捜査され証明されたことは何もない。 責任者として説明に来るよう命じられただけであったという。)
 そっくりな人が仙台の伯母さんの家の長女長男として再び姿を現し、映画女優陣と共に、「そして巡り合い」の織物の世の大きな絵模様を成しているのである。
 お二人の特徴は、その時には、とっても異邦人っぽかった、ということであろうか。 鼻が高く、あるいは白墨的な油断ならない肌合いで。