空の輝く雲を見ながらも時として人肉に食らいつきたいくらい飢えに苦しむというのは、まさしくフェローシップの

共同負担たる「受肉」の苦難であった。 
 その無明長夜を西の家は長々と経験してきた。 いつ明けるともなく、いつか自分にも栄光の日があるとは決して思わずに。 手を伸ばせばその白い輝かしい雲に手が届き、その光につながっていると信じていてるばかりである。
 この状態を見聞した藩の方から、西の家の荷物は過重である、もっと軽減できないかという打診があったらしい。