太陽光が目に届くためには、大気及び地上の物体面による反射光が不可欠である。

 一ミリたりとも目を逸れているかぎり、太陽光は決して人の目に映る世間を明るくしてくれない。 人の目の瞳に飛び込む光そのものだけが世界を明るくしてくれるのである。
 光はにじむものでもなく、また通りすがりに何かに引っ掛かってコースを曲げたり、自分のいくらかをこぼして行くようなものではない。 素粒子概念の通りに一本二本と数えられるものであって、砕け散って半分になったり3分の2になったり分かれて二つになったりしても、光として存り続けることのできるものではない。
 太陽光はあまた降る、しかし世界は暗い、というのが宇宙一般の真実である。