西の家の真実続き

 志操堅固、持ち場死守遺伝子の考査点数なら、西の家の先祖も同じであったに違いない。
 
 西の家の人は決してラーメンにハナを入れたことはない。 
 ジュディさんみたいな人が栄養って何のお飲物なの、って聞いたら、ハナと答えた冗談者がいたのである。 飾りじゃないのよ涙は、失われる栄養なのよ、と同様の、泣かない風邪を引かない、という首包み夜勤の真実が伏せられた、とぼけた返答であった。 頭にミルク瓶を突っ込まれた赤ん坊の救急医療であったのである。
 西の家の者の話ではないが、首包み夜勤の担当者は何か堅物で、早く出ていけ殺すぞ、とまで言って、みちのく訪問のジュディさんの志を断り追っ払ったという。
 風邪ひき対策の問題で、決してラーメン問題ではなかった。

 そして最後に、西の家ー清一疑惑の解明。

 清一案内人の西の家は、NHKアナウンサーを導くアルプス案内人の田部飯登山家の姿を借りて説明することができる。 
 ホラこの垂れそうな干し柿−上の家の長方形顔−食べて下さい、と言われてホッと笑みを浮かべたような長髪アナウンサーのお顔(が今も目に浮かぶようである)。 アルプス尾根とは、それ程、清一には上の家の玄関に立ち挨拶することは息絶えるほどの難関であったということであろう。 それで「六部」だよ、ホラと留守中の上の家内を無断紹介したのである。 後に北上市長さんにもなる人達は決して強盗を働くような人達ではない、その必要もない人達であった。 清一の大口を頼みたいがあまりの誹謗作戦であった。
 世故盲目の清一は、食べるを大口をたたくこととは取らなかった。 上の家隣家の加治屋と相談して、秘殺の剣を拝領する。 映画「ヒーロー」のキャストそのままである。
 とにもかくにも、西の家は清一の気持ちを大きくしようと嘘を吐いたが、上の家の家族を欺くまでは指導していなかった。
 秘殺事件は若い清一一人が、酸素不足で横倒し状態に右往左往した挙句の早とちりに発することであった。
 
 「人を介する」世知に与かれさえしたら刃物は飛び出なかったであろう。   
 しかしその剣の唯一の被害者たる次女貞子さんは、その一部始終を知り、許し、上の家の長男として受け入れるのである。 実体は生真面目で青臭い若造、口も不自由な、生まれたことのない高校生。 涙が出たのかもしれない。

 結局清一というものも、やむなくも、遠く二条城会議から招かれた九州人長男であった。

 本内部落では古来の日本人といえば西の家ばかりとなった世の中の変転振りであったが、やはり千年の旧家となると、子孫が少なくない。 岩手県にも秋田県にも、自覚もないような分家筋、縁者がいるであろう。 三船氏もそのような遠くからの関係者ではなかったか。 
 本内部落では唯一の社家子孫となっのにも係わらず、村の祭主を固辞し続けている。 江戸時代に、一度たりとも侵入組織に身を預け「フォーク給食」を受けてしまったことを罪として、身を退いているのであろう。 この江戸時代中の冒険者的「四季契約」飛び込みについては、村内の分家筋から厳しい批判が出ているという。

 主な確定縁者 岩手県知事、首相になり損ねた野党党主、石川啄木、芦屋雁之介、鳩山邦夫(和歌山由来ということ)、渡哲也、石原裕二郎、・・・端倪すべからざる人脈の広がりが予想される。