組織の先人が心を留めていて、今確かに伝わっているものがある


六部伝説を解くこと。
聞き耳頭巾の釣り合いに、勢道政治のかえってのんきな人柄の被害農民を獄から救出してきたこと。
今でいう、非道政治からの人権救済、アムネスティにも似た人集めであった。
あるいは日本の場合と同じく、最初から動員のための企みがあったということは、可能性の高いことである。
まだ軍国主義が始まる前の世の事である。


まるっきり
「いい人達だった」
「将来頼める人達だった」
だけである、と。


「だけでない」と言われた人達でも、同じことであろう、大変人の好い遺伝子の流れの出会いである。
ずるいことなく、悠長で。


かの少年も、欲しい儘な者となってどちらかというとのんきなお百姓さん方を縛した汚吏貪官の時代の記憶があって、軍略時代の公務員をも、身過ぎ世過ぎに身を売る奴、真っ直ぐな「心がない」奴、ぬくぬくとしてずる賢い奴と、思い込んでいたのかもしれない。
この時代、「こころ」がある、とは、野にあって独立戦争に身を挺している義兵団の人たちのことをいうのであろう。
身売り隗儡官僚や剣を提げた自民族威圧警察官をも殺害テロの目的とした時代であった。
地下組織に取り込まれてしまった少年も、選る事があったという。


コピーマンが高校生の時の、東洋近代史などない忙しい世界史の授業において、なぜか、勢道政治という東大の入試問題にも出ることもあるまい単語の音が、一時、はるかな感じを伴って脳内に反響し、記憶の深層に浸透するようであったたことがあった。
この地下組織の大運動も知らず、また、このような朝鮮民族との絡み合いにも全く無知蒙昧の者であったが。
それから40年も経って、今歴史書をひも解き、その時の記憶と共に、この間の帝国主義の世紀をすっかり飛び越えた時代の、歴史事実に出会うことがあった。


なお、少年のビデオやスティルのことであるが、映画家や写真家が間近に立っていて、用意された場所で準備された物があって、これでか、こうやってか、とあずけられた物を手にして、スタート、と写し始められたものであることを付け加えおこう。


イギリス人の先人が重く以上のことを気にしていたことによってであろう、この数世紀に及ぶ大運動の正直を遂げるコピーにおいて、六部伝説についてと、伴って引き込まれて来た人達の事が、結局最初と最後に置かれることになった。




このコピーは世界でも唯一の運動に関する調書であって、この書を読めば国民は誰でも、組織幹部のイギリス人も知らないような、奥深い真実と広い展望を得ることができる。