2006-01-22から1日間の記事一覧

ヘーゲリアンラッセル

ラッセルが若い頃ヘーゲリアンでヘーゲルを読み解こうとしていたことが、観念存在論の矛盾を衝いて、その混乱による人類史の難解さを解きほぐすきっかけと希望となったのである。 簡単なことであった。 ヘーゲル解読時の、イギリス人らしい素朴正直な悪戦苦…

じゃがいもを食う人の犯すべからざる権限

司馬遼太郎先生の言葉の最も尊いものとして記憶しているものに、ゴッホのじゃがいもを食う人々、を見ての感想がある。 そのじゃがいもを食べようとして差し出されている農民の手の表現に、荘厳を感じる、と書かれている。 荘、とは薄などの旺盛な草群の中に…

無制限の賛美を受けるルーベンス

ルーベンスという画家は西洋絵画最大の巨匠として、無制限に褒め称えられることが多い。 しかし女体の表現に、意図的なものを感じてしまうほど頑固な、明らかに過剰なワンパターンがある。 ヨーロッパの広場に立っている銅像が、あれは豚の肉を描いたのだ、…

西郷隆盛と征韓論

実際の西郷隆盛の容貌がどういうものであったか、隆盛の子孫の方が、上野の像を見て、似ていない、と言われたというのだから、その像とそっくりではないことは分かる。 薩摩人特有の、眼のすぐ下の頬骨から満々と盛り上がった魁偉な顔付きであったことは確か…